第2回会計士が今悩んでること

会計士が悩んでいること。というよりも私が今悩んでることを書きます。

 

それは監査の価値とは何かです。

私たち会計士はクライアントの財務諸表に投資家の投資判断を誤るほどの重要な誤りがないかを監査します。これに対して監査法人の監査品質が保たれているかは監査法人に対する外部機関によるレビュー(金融庁、会計士協会など)、や内部機関によるレビュー(法人内の内部監査部門、メンバーファームなど)により確認されています。監査法人も自分たちの監査が適切であったかについて監査を受けることで品質を保っているのです。

監査法人からすれば外部・内部機関のレビューで指摘ゼロを目指し、品質を保つことはとても大事になります。法人の評価や、内部であれば人事評価にも影響するためです。

このため品質のためにクライアントに対して過度な監査をしてしまうこともあります。クライアントからすれば、無限定適正意見をもらうという点だけ見れば監査法人の外部・内部機関のレビューの結果はあまり関係がありません。

(監査をお願いしている監査法人はある程度の品質を担保しているのが前提なので。)

 

会計士はクライアントからお金をもらってるということもあり、クライアントを満足させる監査をしつつ、監査品質を保つことが大事になるのです。

クライアントを満足させる監査とは何かがとても難しいなと最近特に感じています。

 

会社の気づかなかった問題に気づくこと(異常点の発見)、相談を受けた時のレスポンスの速さ、会社の悩みを聞くなどなど。

 

最近は監査業界は人が足りない。と言われ、やる仕事量に対して人手が足りない状況が続いています。(そもそもそう思っている時点でダメなのかもしれません。)

監査品質とクライアント満足を同時に達成するのが理想だと思うのですが、どうしても監査品質を重視してクライアントを満足させる監査をできなかったり、クライアントに傾き過ぎて監査品質が愚かになったり。監査調書を作成することに時間がかかり、調書は綺麗だけど表面上しか監査ができていなかったりと、悩みはつきません。

 

監査はやろうと思えばいくらでも時間をかけられます。ゴールは会計士の判断次第で決まるところが多いからです。

SE出身のパートナーが自分でゴールを決められる仕事はなかなかない。だからこそ悩むけど、それがこの仕事の楽しいところでもあると言っていました。

 

自分でゴールを決められるからこそ悩める。悩めるからこそ楽しい仕事。

中々深いですが一理あるような気がします。

クライアントにとってなにが大切か、監査品質をいかに保つかを考えることができる時点で恵まれた環境なのかもしれませんね。

初投稿。会計士のりょうたです。

はじめまして、りょうたと申します。

会計士で、監査法人勤めをしています。

最近仕事の事で考えることが増えてきたので会計士(監査法人)が普段どんな仕事してるのかとか、どんなこと考えてるのか(ここは主観になってしまいますが)を発信してみようかと思いました。

自分の頭の整理としてブログを書いてみて、悩みの過程が同じようなことで悩んでいる人に共感されたり、会計士を知らない人が会計士を知るきっかけになったら嬉しいなと思います。

第1回 公認会計士とは?監査ってどんな仕事かご存知ですか?

公認会計士の使命や仕事内容については公認会計士協会のホームページで詳しく解説されています。

https://jicpa.or.jp/

公認会計士は監査と会計の監査及び会計の専門家で国家資格の1つです。私は祖父と父が税理士だったので、会計士という資格の名前は知っていましたが、何をしてる人達なのか全く知りませんでした。最近でも職業を聞かれる時も税理士みたいな仕事ですか?とよく聞かれます。

会計士の仕事は幅広く、監査、税務、コンサル、企業内会計士などがあります。

特に会計士に唯一認められた業務として、法定監査があります。

独立的な第三者の立場から会社の財務情報が適切であることを証明する業務です。

このメインとなる監査業務があまりイメージが付かないので、会計士の人たちは普段何をしているのかよく分からない、税理士と何が違うんだという話になるのかなと思ってます。

語弊を恐れずにいうと、会社の通信簿に嘘が書かれていないか証明する仕事です。

何故そのようなものが必要となるかですが、一般的な株式会社では株主からお金を預かってそのお金で会社を経営します。

株主さんはお金は出すものの、そのお金がどのように使われるたかを知る手段がありません。

このため、1年に1回(上場会社は1年に4回)

①会社が保有してる資産、株主以外から借りている負債、株主から預かっている資本の状態(貸借対照表)と②1年どのような成果を上げられたかという経営成績(損益計算書)等(財務諸表)を開示しています。

株主さんはその開示された内容を見て、預けたお金が自分の想定していたように利用されているかを確認します。もし納得いかなければ出資した金額を取り戻したり、他の人に株主の地位を売ることができます。

経営者からすると、しっかりと成果を出せていればいいですが、うまくいかないときは株主からの批判に晒され出資者がいなくなったり、お金を借りられなくなったり、会社や自分の立場がなくなる可能性があります。

自分会社の通信簿である財務諸表を改ざんすることで会社の実態よりも良く見せようとしたり、財務諸表の作成ミスで誤った数値で株主に報告してしまうと、株主が適切に判断できなくなってしまいます。

そこで会計士の登場です。

独立した第三者的な立場から株主の判断を誤るような重要な誤りや不正が財務諸表にないことを証明することで投資家の判断を誤らないように会社の通信簿(財務諸表)にお墨付きを提供するのが監査のメインの仕事です。このお墨付きがあることで投資家は安心して会社に出資したり、お金を課すことができます。

(余談)

私は結婚して5年目となるのですが家計をどうするかで妻と揉めたことがあります。お互い一人暮らしを経験することなく結婚したので実家の家計のやりくりをそれぞれ踏襲しようとしました。結果、共働きのため折衷案?を採用することで両者納得することができたのですが、考え方でどこに説明責任が求められるか変わるんだなと

家計のやり方

①私の実家:

父が月の必要分を母に渡す。追加が必要な場合は母が父に都度申請=母に説明責任

②妻の実家:

母が給与口座を管理。父はお小遣い制で追加必要分を母に申請。=父に説明責任

それぞれの考え:

私:①もし、②を取るのであれば家計の説明責任は妻にあるので家計簿をつけて毎月報告をすべき。家計費は基本固定費で変動費部分については都度の対応が必要という考え。家計費こそ抑えるべきところ。

妻:②追加のお小遣いが欲しい場合にはお小遣いの利用内容について説明責任があるという意見でした。家計費は季節により変動するため。お小遣いこそが固定費という考え。家計費により、普段の生活の、豊かさが変わるので家計費は多くかけるべき。

最終的な落としどころ:

私:貯金、家計費の一部を負担(毎月の負担額は多いが固定)

妻:保育料、家計費(家計費の努力次第で手元に残る金額が増える)

最初は①を採用したかったのですが、妻のいう家計費の掛け方で家庭の豊かさが変わるというのは一理あるなと思ったのでそこを考慮して妻が家計費担当にすることで変動的に使える形にしました。もちろん妻の家計費の使い方の監査はしていません。

もし②を採用した場合、監査をしてる職業柄、妻の出費を逐一確認し、都度ヒアリングを行い家庭が冷め切るところだったなと思います。仕事でない限り監査をしすぎるとお互いの信頼関係に穴を開けることになるので気をつけましょう笑